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(1) 県指定天然記念物「茂林寺沼及び低地湿原」
 茂林寺は分福茶釜でよく知られているお寺です。東武伊勢崎線の茂林寺前駅で下車し、東へ10分ほど歩くと、茂林寺へ着きます。天然記念物に指定された地域は、茂林寺に接して北側に広がっています。
茂林寺沼周辺の低地湿原
茂林寺沼(もりんじぬま)とその周辺の低地湿原は貴重な植物を産し、季節によって植物の群落の移り変わりが特異の景観を呈し、また、低地湿原として学術上貴重な地域であるとして、昭和35年3月23日に、県の天然記念物に指定されました。
 沼にはコウホネが群生し、夏に黄色の美しい花が咲きます。湿原にはノハナショウブ、カキツバタ、イトハコベ、ミズチドリ、ケナガボノシロワレモコウなど貴重な植物をはじめ、エゾミソハギ、クサレダマ、ヌマガヤ、ミズオトギリなどが生育しています。
 茂林寺を囲む森林には、北側にスギ(植林)、コナラ、ムクノキ、東と西側にシラカシ、南側にエノキ、墓地とその周辺にサワラの見事な大木が生育しています。林の下草にはチヂミザサ、ヤブラン、ジャノヒゲ、ハエドクソウなどが見られます。
 また、湿原の北に森林があり「野鳥の森」と呼ばれ親しまれています。この森には多くの野鳥が生息しています。湿原の入口に案内板があり、季節に見られる野鳥を解説しています。
 館林地方は、北は渡良瀬川、南は利根川にはさまれた低地帯で、古来より多くの池沼が存在していましたが、年々開発等によりその原型を失いました。こうしたなかで、低地湿原の原型をよく保っている茂林寺沼とその周辺の湿原を見学することは有意義なことと思います。
(2) 城沼(じょうぬまとハス
 つつじが岡公園に接して北側に広がる城沼は東西が約3.8km、南北約0.22kmの東西に細長い形をした沼で、古くは躑躅ヶ淵や石垣沼(いしがきぬま)とも呼ばれていました。昔から水生植物の豊富な沼として広く知られ、特に明治38年9月10日、北岸で高野貞助氏により、食虫植物ムジナモが発見されたことは有名です。
 城沼には江戸末期の弘化(こうか)2年(1845)に、すでにハスやジュンサイなど11種の水生植物が生育していたことが図と共に記録され残されています。また、昭
和12年にはアサザや
ヒルムシロなど28種の水生植物が沼全体に分布していました。現在、沼にはハス、ヒメガマ、ガマ、マコモ、ヨシなどが見られます。
 特に城沼のハスは歴史が長く、夏の風物を代表するものとして知れわたっています。安永5年(1776)に、城沼沿岸でハス堀りをしたことが古文書に書かれていますので、かなり以前から城沼にハスがあったことが分かります。
 近年では明治43年の大洪水の後、ハスを植え、大正10年から昭和10年ころの盛りには大変増えて、沼から田へはい上がり、棒ではらって船を進めたと言われています。
 文豪田山花袋(たやまかたい)は、移り変わる城沼の様子に、「田とすかれ 畑とうたれて よしきりも すまずなりたる 沼ぞかなしき」と歌を寄せています。春の尾曳(おびき)神社のサクラとツツジ、つつじが岡公園と第二公園のツツジ、初夏の第二公園のハナショウブ、夏の城沼のハスなど何れも城沼を中心とした花の名所であり、憩いの場として多くの人たちから親しまれています。
城沼のハス

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