令和3年度適用の個人住民税(市・県民税)税制改正
更新日:2021年3月16日
令和3年度の個人住民税(市・県民税)から適用される税制改正についてお知らせします。
- 給与所得控除の見直し
- 公的年金等控除の見直し
- 基礎控除の見直し
- 調整控除の見直し
- 所得金額調整控除の創設
- 扶養控除等の所得金額要件の見直し
- ひとり親控除の創設及び寡婦(夫)控除の見直し
- 個人住民税の新たな非課税措置の創設
- イベントの中止等によるチケット払戻請求権を放棄した場合の寄附金税額控除
- 個人住民税における住宅ローン控除の適用要件の弾力化
1.給与所得控除の見直し
- 給与所得控除が一律10万円引き下げられます
- 給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額が850万円,その上限額が195万円にそれぞれ引き下げられます
注:子育て世帯や介護世帯には負担が生じないよう、所得金額調整控除があります
給与等の収入金額(A) | 給与所得控除額 改正後 |
給与所得控除額 改正前 |
---|---|---|
162万5,000円以下 | 55万円 | 65万円 |
162万5,000円超180万円以下 | (A)×40パーセント-10万円 | (A)×40パーセント |
180万円超360万円以下 | (A)×30パーセント+8万円 | (A)×30パーセント+18万円 |
360万円超660万円以下 | (A)×20パーセント+44万円 | (A)×20パーセント+54万円 |
660万円超850万円以下 | (A)×10パーセント+110万円 | (A)×10パーセント+120万円 |
850万円超1,000万円以下 | 195万円 | (A)×10パーセント+120万円 |
1,000万円超 | 195万円 | 220万円 |
2.公的年金等控除の見直し
- 公的年金等控除額が一律10万円引き下げられます
- 公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合、公的年金等控除額は195万5,000円が上限とされます
- 公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円を超え2,000万円以下の場合には一律10万円、2,000万円を超える場合には一律20万円が上記1および2の見直し後の控除額から引き下げられます
65歳未満の場合
公的年金等の収入金額(A) | 公的年金等控除額 | |||
---|---|---|---|---|
改正後 | 改正前 | |||
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額 | ||||
1,000万円以下 | 1,000万円超2,000万円以下 | 2,000万円超 | 区分なし | |
130万円以下 | 60万円 | 50万円 | 40万円 | 70万円 |
130万円超410万円以下 | (A)×25パーセント+27万5,000円 | (A)×25パーセント+17万5,000円 | (A)×25パーセント+7万5,000円 | (A)×25パーセント+37万5,000円 |
410万円超770万円以下 | (A)×15パーセント+68万5,000円 | (A)×15パーセント+58万5,000円 | (A)×15パーセント+48万5,000円 | (A)×15パーセント+78万5,000円 |
770万円超1,000万円以下 | (A)×5パーセント+145万5,000円 | (A)×5パーセント+135万5,000円 | (A)×5パーセント+125万5,000円 | (A)×5パーセント+155万5,000円 |
1,000万円超 | 195万5,000円 | 185万5,000円 | 175万5,000円 |
65歳以上の場合
公的年金等の収入金額(A) | 公的年金等控除額 | |||
---|---|---|---|---|
改正後 | 改正前 | |||
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額 | ||||
1,000万円以下 | 1,000万円超2,000万円以下 | 2,000万円超 | 区分なし | |
330万円以下 | 110万円 | 100万円 | 90万円 | 120万円 |
330万円超410万円以下 | (A)×25パーセント+27万5,000円 | (A)×25パーセント+17万5,000円 | (A)×25パーセント+7万5,000円 | (A)×25パーセント+37万5,000円 |
410万円超770万円以下 | (A)×15パーセント+68万5,000円 | (A)×15パーセント+58万5,000円 | (A)×15パーセント+48万5,000円 | (A)×15パーセント+78万5,000円 |
770万円超1,000万円以下 | (A)×5パーセント+145万5,000円 | (A)×5パーセント+135万5,000円 | (A)×5パーセント+125万5,000円 | (A)×5パーセント+155万5,000円 |
1,000万円超 | 195万5,000円 | 185万5,000円 | 175万5,000円 |
3.基礎控除の見直し
- 基礎控除が一律10万円引き上げられます
- 合計所得金額が2,400万円を超える納税義務者については、その合計所得金額に応じて控除額が逓減し、合計所得金額が2,500万円を超える納税義務者については基礎控除の適用はできなくなります
合計所得金額 | 基礎控除額 改正後 |
基礎控除額 改正前 |
---|---|---|
2,400万円以下 | 43万円 | 33万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 29万円 | 33万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 15万円 | 33万円 |
2,500万円超 | 適用なし | 33万円 |
4.調整控除の見直し
合計所得金額が2,500万円を超える場合、調整控除の適用対象外となります。
合計所得金額 | 基礎控除額 改正後 |
基礎控除額 改正前 |
---|---|---|
2,500万円以下 | 注:調整控除の計算方法による | 注:調整控除の計算方法による |
2,500万円超 | 適用なし | 注:調整控除の計算方法による |
5.所得金額調整控除の創設
次の(1)又は(2)に該当する場合、所得控除として創設された所得金額調整控除の適用対象となります。
(1)給与等の収入金額が850万円を超え、次のアからウのいずれかに該当する場合
- ア.本人が特別障害者に該当する
- イ.年齢23歳未満の扶養親族を有する
- ウ.特別障害者である同一生計配偶者もしくは扶養親族を有する
所得金額調整控除額
=(給与等の収入額(1,000万円を超える場合は1,000万円)-850万円)×10パーセント
注:この控除は、扶養控除と異なり、同一生計内のいずれか一方のみの所得者に適用するという制限がありません。したがって、例えば、夫婦ともに給与等の収入金額が850万円を超えており、夫婦の間に1人の年齢23歳未満の扶養親族である子がいるような場合には、その夫婦双方が、この控除の適用を受けることができます
(2)給与所得控除後の給与等の金額及び公的年金等に係る雑所得の金額があり、給与所得控除後の給与等の金額と公的年金等に係る雑所得の金額の合計額が10万円を超える場合
所得金額調整控除額
=(給与所得控除後の給与等の金額(10万円を超える場合は10万円)+公的年金等に係る雑所得の金額(10万円を超える場合は10万円))-10万円
注:(1)及び(2)の両方に該当する場合は、(1)の控除後に(2)の金額が控除されます
6.扶養控除等の所得金額要件の見直し
給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替により、扶養親族等の合計所得金額要件等がそれぞれ10万円引き上げられます。
要件等 | 改正後 | 改正前 |
---|---|---|
同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額 | 合計所得金額48万円以下 | 合計所得金額38万円以下 |
配偶者特別控除に係る配偶者の合計所得金額 | 合計所得金額48万円超133万円以下 | 合計所得金額38万円超123万円以下 |
勤労学生控除の合計所得金額 | 合計所得金額75万円以下 | 合計所得金額65万円以下 |
家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例について、必要経費に算入する金額の最低保証額 | 55万円 | 65万円 |
障害者・未成年者・寡婦(夫)の非課税基準 | 合計所得金額135万円以下 | 合計所得金額125万円以下 |
均等割の非課税基準 同一生計配偶者及び扶養親族がいないかた |
合計所得金額が28万円+10万円以下 | 合計所得金額が28万円以下 |
均等割の非課税基準 同一生計配偶者または扶養親族がいるかた |
合計所得金額が28万円×(同一生計配偶者、扶養親族の合計数+1)+10万円+16万8,000円以下 | 合計所得金額が28万円×(同一生計配偶者、扶養親族の合計数+1)+16万8,000円以下 |
所得割の非課税基準 同一生計配偶者及び扶養親族がいないかた |
総所得金額等の合計が35万円+10万円以下 | 総所得金額等の合計が35万円以下 |
所得割の非課税基準同一生計配偶者または扶養親族がいるかた | 総所得金額等の合計が35万円×(同一生計配偶者、扶養親族の合計数+1)+10万円+32万円以下 | 総所得金額等の合計が35万円×(同一生計配偶者、扶養親族の合計数+1)+32万円以下 |
7.ひとり親控除の創設及び寡婦(夫)控除の見直し
- 婚姻歴や性別に関わらず、生計を同じとする子(総所得金額等が48万円以下)を有する単身者(合計所得金額500万円以下に限る)について、「ひとり親控除」(控除額30万円)が適用されます
- 上記以外の寡婦については引き続き寡婦控除として控除額26万円を適用し、子以外の扶養親族を有する寡婦についても所得制限(合計所得金額500万円以下)が設定されます
- 住民票の続柄に「夫(未届)」、「妻(未届)」と記載があるかたは控除対象外となります
改正後:ひとり親控除・寡婦控除
単位:万円(本人が女性)
配偶関係 | 死別 | 離別 | 未婚 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
本人所得 (合計所得金額) |
500万円以下 | 500万円超 | 500万円以下 | 500万円超 | 500万円以下 | 500万円超 | |||
扶養親族 | 有 | 子 | 30注:1 | ‐ | 30注:1 | ‐ | 30注:1 | ‐ | |
子以外 | 26注:2 | ‐ | 26注:2 | ‐ | ‐ | ‐ | |||
無 | 26注:2 | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ |
本人が男性
配偶関係 | 死別 | 離別 | 未婚 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
本人所得 (合計所得金額) |
500万円以下 | 500万円超 | 500万円以下 | 500万円超 | 500万円以下 | 500万円超 | |||
扶養親族 | 有 | 子 | 30注:1 | ‐ | 30注:1 | ‐ | 30注:1 | ‐ | |
子以外 | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | |||
無 | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ |
注:2寡婦控除
改正前:寡婦(夫)控除
単位:万円(本人が女性)
配偶関係 | 死別 | 離別 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
本人所得 (合計所得金額) |
500万円以下 | 500万円超 | 500万円以下 | 500万円超 | |||
扶養親族 | 有 | 子 | 30 | 26 | 30 | 26 | |
子以外 | 26 | 26 | 26 | 26 | |||
無 | 26 | ‐ | ‐ | ‐ |
本人が男性
配偶関係 | 死別 | 離別 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
本人所得 (合計所得金額) |
500万円以下 | 500万円超 | 500万円以下 | 500万円超 | |||
扶養親族 | 有 | 子 | 26 | ‐ | 26 | ‐ | |
子以外 | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | |||
無 | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ |
8.個人住民税の新たな非課税措置の創設
婚姻歴や性別にかかわらず、生計を同じとする子(総所得金額等が48万円以下)を有するひとり親について、前年の合計所得金額が135万円以下の場合に市県民税を非課税とする措置が創設されました。
9.イベントの中止等によるチケット払戻請求権を放棄した場合の寄附金税額控除
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、政府の自粛要請を踏まえて中止・延期・規模の縮小が行われた文化芸術・スポーツイベントについて、チケットの払い戻しを受けない(放棄する)場合に、その金額分を「寄附」とみなして寄附金税額控除を受けることができます。
対象となるイベント
以下の要件をすべて満たすもの
- 令和2年2月1日から同3年1月31日までに日本国内で開催、又は開催予定の不特定かつ多数のものを対象とする文化芸術・スポーツイベント
- 政府の自粛要請を踏まえて中止・延期・規模の縮小が行われたイベント
- 上記1及び2に該当し、主催者が文化庁、又はスポーツ庁へ申請し、それを文部科学大臣が指定し、かつ館林市が指定するイベント
注:館林市が指定するイベントは、文部科学大臣が指定したすべてのイベントとなります
手続き
- 主催者が文化庁、又はスポーツ庁に申請
- 文化庁、又はスポーツ庁が主催者に指定行事証明書を交付、指定したイベント名を公表
- 主催者がチケット払戻請求権を放棄したかたに指定行事証明書コピー、払戻請求権放棄証明書を交付
- 確定申告の際に、指定行事証明書のコピー、払戻請求権放棄証明書を申告書に添付
対象となる課税年度
令和3年度分、又は4年度分
控除対象上限額
合計額が20万円
注:他の寄附金控除対象額も合わせて総所得金額等の30パーセントが上限となります
10.個人住民税における住宅ローン控除の適用要件の弾力化
消費税増税後の対策として、住宅ローンを借りて新築した住宅等に令和2年12月末までに居住開始した場合は、住宅ローン控除の控除期間が10年から13年に延長されますが、新型コロナウイルス感染症の影響により入居が期限(令和2年12月31日)に遅れた場合でも、以下の要件を満たしたうえで令和3年12月31日までに入居すれば、特例措置の対象となります。
当該措置の対象者について、住宅ローン控除可能額のうち所得税から控除しきれなかった額を、控除限度額の範囲内で個人住民税から控除します。
適用要件
-
一定の期日までに契約が行われていること
- 注文住宅を新築する場合:令和2年9月末
- 分譲住宅・既存住宅を取得する場合、増改築等をする場合:令和2年11月末
-
新型コロナウイルス感染症の影響によって、注文住宅、分譲住宅、既存住宅又は増改築等を行った住宅への入居が遅れたこと