父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました(民法等改正)
更新日:2026年2月10日
法改正の概要
父母が離婚後も適切な形でこどもの養育に関わりその責任を果たすことは、こどもの利益を確保するために重要です。令和6年5月に成立した民法等改正法は、父母が離婚した後もこどもの利益を確保することを目的として、こどもを養育する親の責務を明確化するとともに、親権、養育費、親子交流などに関するルールを見直しています。この法律は、令和8年4月に施行されます。
親の責務に関するルールの明確化
父母が、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを養育する責務を負うことなどが明確化されています。こどもの人格の尊重
こどもが心も体も元気でいられるように育てる責任があります。こどもの利益のため、意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。こどもの扶養
父母には、親権や婚姻関係の有無に関係なく、こどもを「養う」責任があります。養う度合いは、こどもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。父母間の人格尊重・協力義務
こどものためにお互いを尊重して協力し合うことが大切です。
次のようなことは、このルールに違反する場合があります。
- 暴力や相手を怖がらせるような言動
- 他方の親によるこどもの世話を不当にじゃますること
- 特段の理由なく他方に無断でこどもの住む場所を変えること
(暴力等や虐待から逃れることはルールに違反しません) - 特段の理由なく約束した親子の交流の実施を拒むこと
すべてはこどもの利益のために
親権者はこどもの世話やお金や物の管理などについて、こどもの利益のために責任を果たさなければなりません。親権に関するルールの見直し
父母の離婚後の親権者
父母の離婚後の親権者の定めの選択肢が広がり、離婚後の父母双方を親権者と定めることができるようになります。親権の行使方法(父母双方が親権者である場合)
父母双方が親権者である場合の親権の行使方法のルールが明確化されています。- 親権は、父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他方が行います
- 次のような場合は、親権の単独行使ができます
監護教育に関する日常の行為をするとき
こどもの利益のため急迫の事情があるとき
- 特定の事項について、家庭裁判所の手続で親権行使者を定めることができます
監護についての定め
父母の離婚後のこどもの監護に関するルールが明確化されています。養育費の支払確保に向けた見直し
- 養育費の取決めに基づく民事執行手続が容易になり、取決めの実効性が向上します
- 法定養育費の請求権が新設されます
- 養育費に関する裁判手続の利便性が向上します
安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し
- 家庭裁判所の手続中に親子交流を試行的に行うこと(試行的実施)に関する制度が設けられています
- 婚姻中の父母が別居している場面の親子交流のルールが明確化されています
- 父母以外の親族(祖父母等)とこどもとの交流に関するルールが設けられています
財産分与に関するルールの見直し
- 財産分与の請求期間が2年から5年に伸長されています
- 財産分与において考慮すべき要素が明確化されています
- 財産分与に関する裁判手続の利便性が向上します
養子縁組に関するルールの見直し
- 養子縁組がされた後に、誰が親権者になるかが明確化されています
- 養子縁組についての父母の意見対立を調整する裁判手続が新設されています
その他の改正
- 改正前は、夫婦の間で結んだ契約を、いつでも一方的に取り消すことができることとされていましたが、今回の改正では、この規定が削除されました
- 改正前は、強度の精神病にかかって回復の見込みがないことが、裁判離婚の事由の一つとされていましたが、今回の改正では、この規定が削除されました





PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、左記の「Adobe Acrobat Reader」バナーをクリックして、リンク先から無料ダウンロードしてください。