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田山花袋記念文学館

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収蔵資料展「文士たちが見た花袋」

更新日:2023年7月16日

田山花袋が日本近代文学史上にのこした最大の功績は、自然主義文学運動を牽引し、近代小説の基礎を築いたことです。明治時代の文学は、自然主義の台頭によって初めて江戸時代から続く因習的道徳観から脱し、現実を生きる人間の内面を描写し得るようになりました。また、それまで世間から「娯楽」と見なされていた文士の仕事も、人生を描く本質的な事業へと認識が変化していきました。文藝春秋社を創立した菊池寛は、自然主義が文学界にもたらした革新を称え、のちに「明治文学の歴史はある意味で自然主義文学の歴史」であると述べています。
今回の展示は、花袋と同時代に活躍した文士たちの花袋評を紹介し、その仕事や人となりがどのように受け止められていたのかを把握しようとするものです。自己研鑽(じこけんさん)を怠らず、文学と人生に対して常に真摯に向き合う花袋の姿勢や誠実で親しみやすい人柄は、多くの文士から尊敬を集め、慕われていたことがこれらの文章から読み取れます。
本展を通じて、文学史における花袋の重要性を再評価するとともに、魅力溢れる人間性について知っていただければ幸いです。



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