第9回新収蔵資料展「大正5年ふたつの旅ー信州高遠・奥州棚倉ー」
更新日:2025年2月28日
第9回新収蔵資料展「大正5年ふたつの旅―信州高遠・奥州棚倉―」
昭和62年(1987)4月開館時の収蔵資料は、約1万点でした。37年間で寄贈・購入などによって数は増え続け、令和6年(2024)12月現在では約3万点にのぼります。
花袋に関する資料は、夜空に煌めく星と同様に、「今」という視点から見ると、その星々のいくつかは不思議なつながりを見せ、星座となってストーリーを描き出します。
本展では、当館の未公開・新収蔵資料を改めて確認することでつながる、大正5年(1916)に花袋が記した信州高遠と陸奥棚倉の“ふたつの旅”に焦点を当てました。
ひとつは、高遠にある「絵島の墓」に思いをよせた「伊那の旅」。もうひとつは、文学で身を立てる決意をした若き日の「棚倉の思い出」。高遠と棚倉における“ふたつの旅”で花袋が詠んだ歌は歌碑となり、現在でも地元の人々に大切にされています。
本展は、当館学芸員が高遠と棚倉の地を実際に訪れ、文豪・花袋の足跡を辿ってレポートするという新たな試みです。この新たな試みを通して田山花袋のもつ魅力を再発見するとともに、花袋の旅を追体験していただければ幸いです。