広報たてばやし12月号特集「たてばやしで、共に生きる」
更新日:2025年12月1日
はじめに
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館林市の17人に1人が外国人
館林市と外国人
まちなかや学校では外国ルーツのかたを見かける機会が増えており、また、食品産業や製造業、福祉の現場など、近年多くの外国人労働者が地域を支えています。
今年4月。本市では、外国人住民の増加に伴う多文化共生社会の実現のために、市民協働課を「共生社会推進課」に改称し、同課内に「多文化共生係」を新設しました。共生のこと、自分にできることについて、みんなでいっしょに考えてみませんか?
- 館林市に住む人口は約7万3,000人
- その中で外国人の人口は約4,300人で、直近の5年間で1,700人増加
つまり、館林市の人口の約17人に1人が外国人ということになります。そこで館林市は、文化・習慣のちがいを認め合い、関係団体と連携し、住民同士の交流や学びの場が広がる、誰もが安心して暮らせる地域を目指します。
国際交流協会会長に聞いた!外国人増加と共生の在り方
登場人物
神村明良さん…館林市出身。平成25年に館林市国際交流協会に入会。3年前より同会会長を務める。
館林がたいせつだから負けたくない
館林市の外国人の割合は約6%ほどですが、その年代を考えてみてください。彼らは主に就労を目的として来日しているので、その大半が働き盛りの世代です。人口減少が著しく、また高齢化が進む中、彼らの労働力や活気には、6%という数値以上に大きな影響力があると思っています。人口が減り、定住外国人の数が増えているのはどの自治体も同じ。その中で外国人に選んでもらえる、住みやすいと感じてもらえる環境づくりは、地域社会の持続性に大きく関わってきます。私は故郷・館林がたいせつだから、この都市間競争に負けたくないのです。
国際交流協会では、国際交流まつりやバスツアーをはじめとしたイベント、日本語教室などの事業を定期的に開催しています。しかし、参加してもらうことが目的ではありません。交流はあくまで共生のための入口、一歩目に過ぎないのです。
国籍に関係なく、地域社会の一員として
外国人住民はお客様ではありません。館林という地域社会で暮らす市民の一人です。日本人と外国人が対等な関係でまちづくりに参画する。お互いの困りごとを自然にサポートし合う。誰もが楽しみながら生きることができる。それこそが、本当の意味での「共生」が進んだ社会の姿ではないかと、私は考えています。
ケース1:くらしの現場「介護は対話から学びと心で地域を支える」
ミャンマー人介護職員の2人にインタビュー
今年1月に就労のためミャンマーから本市に来た2人は、入ヶ谷町のグループホームで介護職員として働いています。来日から1年未満とは思えないほど流暢な日本語で、仕事のことや館林での生活のことを教えてくれました。登場人物
ザザラインさん、ティンミャッウさん
ミャンマー出身。グループホームで介護職員を務める。
日本語の学び方
ティン仕事中は基本的にすべて日本語なので、利用者さんや仕事仲間との会話の中で言葉を覚えています。分からないことは、すぐに社長や先輩に聞いて教えてもらっています。
思い出に残っていること、難しく感じること
ティン利用者さんは自分の家族だと思って手伝います。利用者さんが元気がないときは私も悲しいし、「あなたは心が優しいね」と言われたときはうれしかった。春に桜を見に行ったとき、利用者さんといっしょに喜んだことが思い出です。
ザザ難しいのは漢字。真似して書いたり、意味を聞いたりして勉強中です。記録を取るときに、ひらがなでもいいと言われるけれど、なるべく漢字で書けるようになりたくて。
仕事の目標
ザザ漢字以外にも、日本語能力試験や介護福祉士試験に合格するための勉強をがんばりたいです。
日本と母国との違いで困ったこと
ティンごみ処理の方法には戸惑いました。住む場所によって出していい日や種類が違うので難しかったです。今もときどき迷うことがあるので、まずは社長に確認してからごみを出すようにしています。
館林の好きなところ
ザザ街並みがきれいなところと交通ルールが整っているところです。みんながルールを守っているから、安全なまちなのだと思います。
ティン桜を見たつつじが岡公園はお気に入りの場所。来年も花見の時期が楽しみです。
関連事業:日本語教室
日本語教室の紹介

言葉やマナーを学ぶ場は職場以外にもあります。
市国際交流協会では、ボランティア講師による日本語教室を毎週開催しています。詳しくは市国際交流協会ホームページ(外部サイトにリンクします)をご覧ください。
講師として活躍する外国人も!
パルリン・マリンガン・マルブンさんは、インドネシアから7年前に来日し、今は講師として参加しています。
パルリン日本語の勉強は1人だとつまらないけれど、みんなと学ぶのはおもしろいです。上達のコツは、勉強への意欲と、とにかく日本語でコミュニケーションを取ることだと思います。
ケース2:ひろがる世界「『伝えたい』が増えた海の向こうで始まる学び」
中学生海外派遣事業に参加した2人にインタビュー
7月28日から8月4日に、本市の姉妹都市であるオーストラリア・サンシャインコースト市などへの派遣に参加し、「本当に楽しかったです!」と口を揃えて話す2人。現地での思い出や今後の展望について教えてくれました。
登場人物
谷村麗さん
新井想士さん
谷村麗さん、新井想士さん…館林市出身。第28回館林市中学生海外派遣団員。
応募の理由・きっかけ
谷村幼い頃に香港に行ったことがあり、海外に対して興味はありました。市の派遣事業があることを知って、外国の文化を学んだり、友達を作ったりしたいと思ったからです。
新井自然豊かなオーストラリアに興味があり、親の勧めもあったので、経験として参加してみたいと思っていました。実は今回が2度目の応募で。念願が叶い、うれしかったです。
外国人への印象の変化
谷村外国人は、日本人よりも主張が強くてはっきりものを言うイメージでした。でも実際に現地で接してみると、私が英語をうまく話せなくても最後まで聞いてくれたり、聞き取りやすいようにゆっくりと話してくれたり。いろいろな場面で気づかいや思いやりを感じました。
新井昨年団員だったいとこから話を聞いていて、あまりネガティブな印象はなかったです。行ってみて感じたのは、想像以上に優しい人が多かったこと。特にホストファミリーとの交流が思い出に残っています。
派遣を経た今、がんばりたいこと・将来の夢
谷村英語の勉強をもっとがんばりたいです。オーストラリアの学校でできた友達とずっと連絡を取っているんです。今は翻訳機を使っているけれど、いつか自分の力だけでフレンドリーに話せるようになりたいです。
新井ぼくも英語の勉強です。英語を話す力や聞き取る力は、将来きっと役に立つ。受験勉強はもちろん、英語の資格やテストにも積極的に挑戦していきたいと思っています。
関連事業:中学生海外派遣事業
中学生海外派遣事業の紹介

市では、語学力の向上と国際感覚を身につけることを目的として、平成5年から中学生海外派遣事業を行っています。今年は16人が参加し、さまざまな異文化を体験してきました。詳しくは館林市中学生海外派遣事業をご覧ください。
ケース3:まちのつながり「『おいしい』は共通語食から始まる異文化交流」
ベトナム料理教室を開催した尾曳町区の2人にインタビュー
今年6月にベトナム料理教室を開催した尾曳町区。約100人が参加し、大盛況で幕を閉じました。
―どちらか一方ではダメ。歩み寄ることが大事―
「共生」についてそう語る豆田区長と、尾曳町在住の松本さんにお話を聞きました。
登場人物
松本アンさん
ベトナム出身。ベトナム料理教室講師。
豆田憲一さん
大分県出身。尾曳町区長。
きっかけは昨年の「もちつき大会」
ベトナム料理教室は、どのような経緯で開催したのですか?
豆田昨今、外国人への対応が求められている中で、自分たちにできることがないかと考え、開催したのが令和6年度のもちつき大会でした。まずは、地域に住む外国人に日本の文化を知ってもらおうと。そこでアンさんたちと親しくなり、次は外国の食文化を体験する機会を作りたいと考えました。ベトナム人に講師になってもらい、作ったり食べたりする中で交流をしてもらいたい。そんな思いでした。
松本隣組長を務めたことがあり、豆田区長のことは知っていました。実はもちつき大会を通して、日本人だけではなく、近くに住んでいたベトナム人とも仲良くなれたんです。豆田区長から講師にと誘ってもらったので、たくさんの人を呼ぼうと張り切りました。
多くの人に参加してもらうために
豆田料理教室用に、日本語とベトナム語のチラシを作りました。それを持ってベトナム人が住むアパートにアンさんと向かい、一軒一軒説明して参加を呼びかけたんです。
松本それから、材料の準備はたいへんでしたね。教室では、生春巻き、揚げ春巻き、バインミー(ベトナム風サンドイッチ)、バインセオ(ベトナム風お好み焼き)、フォーを作ることになりました。日本で買えるもので、どのように本場の味を再現するか。日本料理とベトナム料理は似た部分もありますが、なかなか難しかったです。
豆田何度も試食会を行って。開催まで3か月くらいはかかりましたね。
当日は、多くの人が参加していましたね。
豆田私たちが誘った人が、自分の友達に声を掛けて連れてきてくれたようです。日本人も外国人も、尾曳町区以外からも多くの人が来てくれました。特にフォーは大人気で、長蛇の列になっていました。料理教室も試食会も、参加者の笑顔が見られてよかったです。
松本(教室の後)日本人のママ友からレシピを聞かれたり、ベトナム人の友人からまたこういう機会を作ってほしいと言われたりしました。
料理教室以外の取り組みや、今後の目標について教えてください。
豆田日本人が押し付けるだけではうまくいきません。相手の文化を知って、認めて、それから日本の文化とどうすり合わせていけるのかを考えてみる。外国人も、住んでいる日本の言葉やルールを知ろう、学ぼうとする。お互いに歩み寄ることがたいせつで、今の社会に必要なことだと思います。最近、週に一度、アンさんを含むベトナム人に日本語を教える時間を作りました。その名も「ピーナッツサークル」。私の名前が由来です。気軽に楽しく、しっかりと日本語の基礎を学べる場所にしたかったんです。今後は、ベトナム人以外とも交流や勉強ができる場を作っていきたいと考えています。
松本日本に来て約10年。漢字や文章はまだ難しく感じることもあるけれど、これからもがんばります!
はじめの一歩、いっしょに
あなたの一言や行動で、まちが変わります。できることから始めてみましょう!あいさつしてみる
あいさつから人と人とのコミュニケーションは始まります。日本語教室に通うさまざまな国の皆さんが、各国の「こんにちは」を教えてくれました。
他の言葉と共に「音」で聞くことができる動画は、YouTube(外部サイトにリンクします)からご覧ください。

イベント・相談に参加してみる
ホームページや各種SNS、広報紙などでお知らせしています。興味があるものに参加してみてください。
今年のイベント(一部)
日本語発表会
水かけ祭り
国際交流まつり
写真展「ロヒンギャを知る旅」
外国人相談
詳しくは外国人相談のご案内をご覧ください。
やさしい日本語を使ってみる
やさしい日本語とは、日本語が不慣れなかたに配慮し、語彙や文法を調整した日本語のことです。
ポイントは「ハサミの法則」
- 「は」はっきり言う
- 「さ」最後まで言う
- 「み」短く言う
やさしい日本語に正解はありません。
「優しい」気持ちと「易しい」伝え方で、誰にとっても理解しやすい言葉になります。
最後に
取材を通して、さまざまなかたとお話ししました。そこで感じたのは、人の想いや行動には世代も性別も国籍も関係ないということです。
共生社会には、特別な準備も、完璧な言葉も、必要ありません。表情やあいさつ、そして何より「やってみよう」の一歩から、共生社会は始まっているのです。
―ちがいを楽しみ、互いを認め合う―
多文化共生が進む今。その気持ちや行動は、決して外国人のためだけではなく、「自分とちがう誰か」と共に暮らす全ての人にとっての暮らしやすさにつながるはずです。ここ館林から、いっしょに始めてみませんか。





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